

素材は綿・麻を繊維の段階で混ぜ、糸にして織りあげた生地を使いました。麻独特のハリがありながら、チクチクせず、糸も自然なムラがでています。
袖裏にはキュプラを付け滑りを良くしています。身頃・襟には最低限の芯を入れ、ジャケットとして最低限の形を保持する事を目指しました。
各身頃の縫合も、袋縫い倒しステッチ・袋縫い倒し・割りと場所により使い分けています。
今までWORKERSで春夏に作ったジャケットはどこまでもワークウェアの雰囲気をもつものでした。今回は、よりジャケットらしく、形を最低限保ちつつ涼しく、着やすくを目指しています。


春夏のジャケットとして、限界まで軽く、しかし肩の作りは最低限芯で構築し、かつ袖が通りやすく袖裏をつけたのが今回のLounge Jacket。
ラ ペル周りも悩んだのですが、ぎりぎり野暮ではない位置のゴージー。最近は高いものが多いのですが、私はこのぐらいの位置が好きです。ラペル幅も狭すぎず、 広すぎず。襟も同じく、狭すぎず広すぎず。このあたりは感覚の問題なので「なぜ?」と言われると困るのですが、自分なりに、太いラペル、細いラペル、いろ いろ既成品も着ました。着た上で「このぐらいが中庸だ」と感じるのがこの位置・太さ・幅です。

ボタンは尿素ボタン。手付のバッテン付け。フロントは表地の厚みにあわせた足をつけています。

胸ポケットは古いリネンのジャケットから頂いた樽型。
開口部は最初カンヌキを入れようとしたのですが、身生地の薄さが持ちませんでした。そこで、少しだけ横に向かってポケット付けステッチを延長しています。

フロントのライン、脇への流れていくラインは強すぎないよう気をつけています。
ここを強くすると、いかにもクラシックなジャケットらしさが出るのですが、私自身、ジャケットのラインで好きなのはもう少し後の年代です。(1960年代あたり)
この時代のほうが、中庸でいつまでも着られると感じています。そのため、脇へ切れ込ませすぎないラインにしています。
ポケットは思い切り脇より。着たときに初めて使える位置にあります。


袖口はあえて開きは無し。ステッチも入れません、これは袖丈を修正しやすい仕様にしたいがためです。
何も無くてはさびしいので、ダミーのボタンをつけています。
袖裏はキュプラ。滑りの良いものをつけています。夏のジャケットでは、今まで袖裏も付けませんでした。確かに涼しいのですが、着脱ぎがしづらいのが弱点でした。
少し暑くなるのを取るか、着脱ぎのしやすさを取るかで後者を取りました。

先ほどの脇よりのポケット。
身頃自体は前・脇・後ろの三面構成。前と脇の縫い目をポケットがまたいでいます。

玉ぶちポケット。
その下にはリゾートネームを付けているのでわかるように、このジャケットはごく軽く、ラフに着る事を想定して作られています。
attention!!
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サンプルの実寸を測り各サイズにグレードしています。
シャツ15.5サイズの方は38サイズを着られるように寸法は設定しています。水洗いすると、ダークマドラスは若干縮む予定です。縮みが怖い場合はドライクリーニングをお勧めします。
水洗いの場合は、洗濯機でぐるぐるは回さずに手洗いであれば中の芯もある程度ハリを残せますが、ネットに入れて洗濯機+天日干しで形を整えるだけ、それはそれでデザイン物のようで良い雰囲気になるでしょう。
自分がどう着たいかにより、洗い、アイロン、仕上げの方法はご検討ください。
ちなみに、私の場合ネットに入れて弱で水洗いし、形を整えて天日乾燥。後はアイロンをします。袖まんとよばれる、細い大根のような棒を使いながら、まずはスチームをかけて繊維を柔らかく動く状態にして、後からスチーム無しで形を整えていきます。
縫製および洗い、また採寸方法による誤差はご容赦ください。
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