

Stifelのオリジナルを基に作ったモールスキンで作ったジャケット。
数年前、まだWorkersで製品を作り始める前。知人から、Kinsey Photographer the Locomotive Portraits という本を見せられ、その中の一人が着ている服を基にと依頼されて作ったジャケットです。
ジャケット自体は小さくしか写っていなかったので、細かな部分は想像して作りました。
いわゆる「カーコート」に近いデザイン。それに、チンストラップをつけあえてそれをしまえる様にボタンを配置しています。
身頃のシルエットはカバーオールのような楽さ、肘~袖はタイト目に。素材をシックな物を選ぶ事で、着る場を選ばない一着に仕上げています。
そんな中でも、あえて打ちこみ式のボタンを使う事で、ワークウェアらしさを残しています。
袖裏を滑りの良いベンベルクなので、袖は細くとも通しやすくなっています。
お送りする製品は未洗いです。



チンストラップのついた小ぶりな襟。
左身頃側にチンストラップをしまうボタンもついています。
寒い時はストラップを締めてもよし、普段はしまっていてもよしです。

ボタンはK&T H MFG Co刻印入りをブラックペイント。洗いこむと塗装がはげていきます。
ここもOverallsではなく、MFGなのが、この製品に似合うと思いこちらを使っています。


左身頃につけたポケット。懐中時計程度が入る小さめのポケットです。
とても細い玉ぶち縫い、「コードエッジ」や「もみ玉」とも呼ばれる始末をしています。

裾に向かってのカーブだけでなく、上に向かってもカーブしているのが型紙の特徴です。これは、1900年代初めごろの型紙作成本や昔のレイルロードジャケットを着ている写真を見て気付いた点です。
本来、胸部分の膨らみを出すためもあり、フロントのカーブ・肩先の倒し・顎から胸へのダーツがあったようで、海軍のPコートや、PAYDAYのカバーオールにもその名残は見られます。
単純に、フロントを上に向けて倒せば良いという物でも無く、倒しすぎると、胸をダーツでたたまない限り不格好な皺ができてしまいます。
かといって、まっすぐにしてしまうと、まるでシャツを着ているような、平面的なジャケットに成ってしまいます。
そこで、仮縫いを繰り返し、適度なフロント・肩先の倒し具合を見つけていきます。今回は、フロント上部が閉じられるのが基本形となるデザインであるため、倒しは極わずかです。


袖口のカフス始末。
スポーツジャケット やカーコートでお馴染みの仕様です。裏には厚み軽減のため、裏地を使っています。


脇から見ると、袖が前に向かっているのがわかります。
前に向かい、さらにひねりを加えた二枚袖です。
腰ポケットはかなり脇よりにつけています。
attention!!
サンプルをワンウォッシュ・タンブラー乾燥後、実寸を測り各サイズにグレードしています。
ウェストで各脇1センチ程度絞り、着丈は出しても入れても着られる寸法を目指しています。
縫製および洗い、また採寸方法による誤差はご容赦ください。
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